「黙って見過ごすには 今日日(きょうび)世の中
あまりにも汚うございます」
無理が道理を押しのけて
渡る世間に 腹が立つ
おっととっと どいた どいた どいた
女・通ります
お見掛け通りの 細腕で
馬鹿を承知の お節介
今日も押してく 横車
外さぁなるまい すぐにでも
男ぎらいの 看板は
おっととっと どいた どいた どいた
女・通ります
あなたと袖摺り 合ってから
啖呵(たんか)飛ばした 唇に
恋の口紅(べに)差す 緋桜(さくら)肌
誰かやらなきゃ 世の中は
変わる当てない 何ひとつ
おっととっと どいた どいた どいた
女・通ります
波風立てなきゃ 済むものを
いつも騒ぎを 起こしては
付けにゃならない 後始末